2番目に君を、愛してる。
露店が並ぶ通りを新藤さんと歩く。
生まれて初めて浴衣を着た。
ピンクとブルー、そして綺麗なグリーンが合わさった花柄の浴衣。素敵な浴衣に袖を通しただけでなく、軽くメイクまでしていただいた。
賑やかな情景に浮足が立つが、履き慣れない下駄のおかげで歩調はいつもより遅い。
それを分かっているかのように新藤さんはゆっくりと歩いてくれた。
水族館で子供扱いされて拗ねていた自分が、いかに馬鹿だったか思い知る。
「疲れない?」
「全然大丈夫です」
こうして気を使ってくれる優しさと大人の余裕を見せつけられて、やっぱり私はまだまだ子供なのだと悟る。
「花火、楽しみです。今日一日、新藤さんに良くしてもらうだけで何も返せていませんね」
浴衣を着て花火を、異性と見る。
ドラマの中でよく見る光景にまさか自分が飛び込むことになろうとは。
兄がいたら爆笑するだろうな。
「俺も花火を見たかったから」
押し付けがましくない優しさ。
「でも浴衣まで申し訳ないです」
「それも俺が見たかったんだよ」
「え?」
「浴衣を着たなっちゃんを見たかったんだ」
孫にも衣装という言葉があるように多少マシになっているかもしれないが、似合っていない自覚はある。地味な私に華やかさの欠片もなくて、そんな風に言われてしまうと少し恥ずかしくなる。
「よく似合ってる」
彼は最高の褒め言葉を、私にくれた。
けれど私はくすぐったくて、新藤さんの顔を見れなかった。