2番目に君を、愛してる。
タイミングよく花火会場に着き、打ち上がる花火を見上げる。
闇夜に浮かぶ花火に目を奪われ、綺麗だと思った。
いつからだろう。
綺麗なものを、綺麗と思えなくなったのは。
両親が亡くなった時か、それとも兄に彼女ができた時だろうか。
新藤さんと出逢わなかったら、花火の美しささえも霞んで見えていたはずだ。
鮮やかな色に見惚れてしまう。
「綺麗ですね。テレビで見るよりもずっとずっと…」
「そうだね。美しい」
花火に感動できる心を取り戻すきっかけをくれた最愛の人。
多くの女性が新藤さんの1番になりたいと懇願していて、まさか自分もそのひとりに入るなんて想定外だ。
けれど今は報われない気持ちを嘆くことよりも、取り戻した感情を大切にしたい。
「あ、ハート型!」
「ハートだね」
「…本当に綺麗」
耳に届く花火の打ち上がる大きな音は周囲の雑音を消し去る。
「……んだ、」
新藤さんの声も例外ではなく、最初の方がよく聞こえなかった。
「はい?」
顔を上げて新藤さんに近付く。
「ーーあの夜の犯人、捕まったんだ」
美しい夜に、最高の報告が届いた。
けれどそれは
私たちの共同生活の終わりを告げる言葉だった。