2番目に君を、愛してる。
「…新藤さん、」
「ん?」
「…なんでもないです」
学校を抜け出してお墓に行こうとしたことも謝ろうと思ったが、言えなかった。
私に黙ってお墓参りに行ってしまった新藤さんを非難しているような受け取られ方はしたくない。
「気になるな」
私の瞳を覗き込むようにして顔を近付けてきた新藤さんの吐息を感じる。
やばい、この距離はやばすぎる!
たまに新藤さんとの距離感が分からなくなる。
抱き締められて眠った夜もそうだった。
「雰囲気に流されそうだ…」
2人きり、浴衣、密着、綺麗な月。
確かに良い雰囲気だ。
少し距離をとった新藤さんは苦笑していた。
「新藤さんは、私のために刑事をやめる覚悟があるんですか?」
意地悪な質問かな。
似たような台詞を青山先生に向けた時、彼はものすごく面倒臭そうな反応をしたけれど。
新藤さんは顔色ひとつ変えず、即答した。
「なっちゃんが望むなら」
「ズルいです」
私任せの回答には納得できない。
流されてしまえばいいのに。
心の中で声がした。
「思わせぶりな発言はやめてください」
好きだと気付いてしまえば、
あなたの一挙一動に反応してしまう。
何気ない会話の中でさえ、あなたの本心を探そうと躍起になってしまう。
あまり心をかき乱さないで欲しい。
「優柔不断でごめんね」
ベンチの上に置いていた右手に、新藤さんの左手が重ねられた。
「これからどう君と向き合っていくか、俺なりに迷ってるんだ」
今度は右手で私のネックレスに触れた。
首がくすぐったい。