2番目に君を、愛してる。

「彼女は俺の仕事のことをよく理解してくれていて、支えてくれている。君とのことも実はさっき電話をして、報告してるんだ」


いつの間に…まぁ確かに見知らぬ家の中に入って行く姿を万が一に見られたら、彼女の信頼を裏切ることになる。世の中の男性が新藤さんのような人ばかりであるならすれ違いはなくなり、みんなが幸せになれるのに。

安心して相手を想える、新藤さんの彼女は幸せだろうな。


「それなら安心です。さあ寝ましょう」


新藤さんが愛する女性なのだから、きっと素敵な人なのだろう。


「他には聞かないの?」


「自分のこと語らずに相手ばかりに求めるのはどうかと思うので、もう大丈夫です」


もういい加減寝なければ。
久しぶりに誰かとお喋りをして興奮してしまったようで、全然眠くない。けれど相手は病人。


「どうしても捕まえたい相手がいてね。こっそり近付いて警察に連行しようと思ったけど上手くいかないものだね」


最後に話してくれたことは、彼の追っている事件のほんの一部で抽象的な言葉でしかないのに、話してくれたことに親近感を覚えた。
頑なに口を閉ざされるよりも、話せることだけ話して欲しい。

たぶん私たちはもう、"見知らぬ他人"という括りに入るには接しすぎてしまったと思うのだ。

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