2番目に君を、愛してる。
新藤さんは朝食を綺麗に食べ終え、お皿をさげながら言った。
「あの日は櫻井の父親の命日で、美崎が気を使って泊まりに来てくれたんだ。後悔の記憶を忘れない意味も込めて毎年墓参りに行く」
「…櫻井さんの……」
「毎年眠れないのだけど、今年はよく眠れて君のおかげで清々しい気分で墓参りに行けたよ」
ありがとう、彼はそう言って哀しそうに笑った。
今度は一緒に行っていいですか、そう質問しようと思っていたが言葉を飲み込む。
時期がきたら誘ってくれるだろうと信じて。
朝食タイムを早々に切り上げて、高校に向かう。
慌ただしく制服を着込み寝癖を直している間、新藤さんは車で待っていてくれた。
「失礼します」
新藤さんの運転で登校していた日々は最近のことではあるのに、もう懐かしく感じる。
「私、車は警察から貸してもらってるものだと思ってたんですけど。新藤さんの車だったんですね」
「そうだね」
謹慎中の新藤さんに警察が車を貸し与えるはずもなく、美崎さんもまた好意で付き合ってくれていたのだ。
「私、本当に上手く騙されてましたね」
嫌味ではなく本当に想像すらつかなかった。
「波木夏と名乗った時の新藤さんの反応の意味が、今なら分かります」
「あの時は驚いたな…」
「私たちの出逢いは偶然なのか、あるいは必然なのかよく分かりませんね。新藤さんが兄を追う限り、私たちは出逢っていたかもしれません」
ハンドルに手を置いた新藤さんの横顔は柔らかく、朝から気分が高揚する。