2番目に君を、愛してる。

「偶然か必然かでなく、なっちゃんが選択してくれたおかげで出逢えたんだ。あの夜、君の正義感に救われたこともそうだけど、なっちゃんが僕らの出逢いの糸を結んでくれた」


「子犬の鳴き声が聞こえたのです。鳴き声がなかったら、私は新藤さんを見つけることができませんでした」


「初耳だよ。鳴き声で…」


「あの可愛らしい子犬は私たちの恋のキューピッドですね」



台風の夜、犬の鳴き声がした。
なんてことのない夜であれば、犬の鳴き声など気に掛けていないだろう。

あの天候だったからこそ、鳴き声に反応してしまったのだ。

そして自身の体調が優れない中でも子犬を温め庇っていたからこそ、私たちは共同生活を送ることができた。


不思議な縁だと思う。


「本当に出逢えて良かった」


「俺たちはいつだって己の人生を選択して生きていかなければならない。結局、どうしたいか決めるのは自分自身だ。だからこそこれから先、困難なことが幾度となく待ち受けていて何度躓くようなことがあっても、俺は君と並んで歩める道を選択していくよ」


「新藤さん…」


必然や偶然といった運命に左右されるのではなく、自らの道は自らの手で切り拓いていく。
彼らしい言葉だった。


どんな天災が待ち構えていようとも、新藤さんと一緒であれば乗り越えられるという信頼もある。
けれど彼に頼っていてばかりではいけないんだ。


祖父の援助を頼りにして、唯一の家族である兄に甘えて生きていくだけでは、ダメなんだ。私は私の意志で、道を選ばなければーー
新藤さんにもたれかかっているばかりでは、彼女とは言えない。

だから
その第一歩として、


「私、東都大学を受験することにしました」


新たな決意をあなたに宣言しよう。

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