2番目に君を、愛してる。
「ご馳走さまでした」
「座っててください、お茶淹れますね」
「ありがとう」
怪我人だというのにお皿を持って立ち上がろうとするので、彼より先にお皿を掴む。
3歩進めばシンクにお皿をつけられる距離にあり、やかんに水を入れる。
「寂しいのなら、お兄さんと暮らそうとは思わないの?」
「兄の社員寮は狭いし、それに………」
ガスコンロの火を見つめる。
一度発火してしまった気持ちはそう簡単に消えないからこそ、兄と距離を置く道を選んだ。
「ある日を境に兄からは女性ものの甘ったるい香水の、嫌な臭いがして。その臭いを私は許せませんでした」
ほぼ毎日、同じ臭いがした。
兄に他の女の香りが移っていることに、嫌悪し、吐き気さえ覚えた。
「同じ香水の臭いに加えて、兄のものではないシャンプーの臭いもするようになって。それに耐えきれなくてひとり暮らしを始めました」
兄はもう私だけのものではなくなったのだと、はっきり認識できた。隣りをずっと歩いてきたつもりでいたのに、いつの間にか私は兄の1番ではなくなっていた。