2番目に君を、愛してる。

「昔から内向的で。兄の後ろにこっそり隠れて行動するような子供でした。今更、社交的になることは難しいですよね」


「そうかな?あの夜、俺に声を掛けてくれた君は社交的だったよね?」


「あれは…特別な状態だったので!」


台風か迫っている夜に人が倒れている状態で、人見知りを発揮している場合ではなかった。
予報されていたよりも軽い台風で翌朝には台風一家となったが、あの怪我では危ない状態になっていただろう。


「けどさ、俺たちの出逢いは君が繋げてくれたものだろう?他の出逢いもきっと、繋げることができるはずだよ。それは今でなくても大学に行った時でも、社会人になった時でも遅くないからね。焦らずにね」


私と新藤さんの出逢いは、
ーー私が繋げたものなのだろうか。


あの日、手を伸ばさなければ、
私は新藤さんに出逢えることなく、
いつもと変わらない日常を送っていただろう。


「良かったです、あの日、新藤さんに話し掛けることができて。あなたと出逢えて良かったです」


思ったことを特に考えもせずに素直に伝えた。

< 75 / 258 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop