2番目に君を、愛してる。
女性の視線が新藤さんから私に移る。
鋭く冷たい視線。
「なっちゃん、もう良いの?」
「…はい」
怖い顔をして女性が立ち上がり、こちらに向かってくる。
高いヒールをコツコツと鳴らして。
「あなたの彼女なの?」
後ろからかけられた声に新藤さんは振り返る。
「若い子が好みなんだね」
「君には関係ないよ」
呆気にとられる私の手から紙袋をとった新藤さんは微笑んだ。
「君は僕の顔が好みだと言うけど、悪いけど僕は君になんの魅力も感じないんだ」
「その子になんの魅力があるって言うの?まさか、そんな子供に手を出してるって言うんじゃないでしょうね?」
堂々と言い返すこともできたけれど、余計な口を挟めばさらに面倒なことになるかもしれないと口を閉じる。
引き下がらない女性に新藤さんはフッと笑った。
このタイミングで笑う?
「何度も言うけど、僕は君に魅力を感じない。もちろん性的な意味も含めて」
「なっ…」
口をパクパク開けている女性に背を向けて、新藤さんは私の手をとった。
「行こう」
駅前のショッピングモール。
新藤さんと手を繋いで歩くその道の景色は、いつもと少し変わって見えた。