2番目に君を、愛してる。
並んで駐車場を目指す。
美味しいものを食べて買い物をして、本当に幸せな時間だった。
幸せな時間にはいつも兄がいたが、今、私の隣りにいる人物は兄ではない。
兄でなくても、私はーー幸せを感じることができるんだ。
それが少し悔しくて、
兄に対して申し訳なく思えた。
ううん、お兄ちゃんだってーー綺麗な人と、大人な付き合いをしているのだからお互い様だろう。
「新藤さん。私、あなたに言わなければならないことがあります」
アクセルを踏む前に声を掛ける。
人前では怒れないだろうと、敢えて車内を選んだ。
このまま黙って家まで持ち帰ることは、後ろめたくて我慢ならなかった。
「なにかな?」
ハンドルから手を離して新藤さんは私と向き合ってくれた。
「お財布なんですけれど」
「お財布?」
「中に入っている免許証を見てしまいました。ごめんなさい」
頭を深く下げる。
個人情報を盗み見たことの罪の重さがどれくらいかは知らない。
けれど罰金で済むとかそういう問題でないことは分かる。
「私を信用してくれてお財布を預けてくれたのに、その信用を裏切るようなことをしてごめんなさい」
「……」
「私、ホッとしたんです。免許証に新藤冬樹と書かれているのを見て新藤さんが私のことを騙してないと知ることができて、すごく安心したんです…たぶん私は心のどこかで新藤さんのことを信じていなかったのだと思います」