大江戸ロミオ&ジュリエット
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志鶴は目を開けた。

「……あっ、しぃちゃん……目をお覚ましになったっ」

初音がほっとしたように、志鶴の顔を覗き込む。

幼き頃より見知った顔が、目の前にある。
なんだか、長い夢を見ていたみたいだ。

……きっと、そうであろう。夢、だったのだ。
「北町」に出戻るなんて。

医師の竹内 玄丞が手早く志鶴の手首をとって脈を診て、それから目や口の中を確かめる。

「……我らの出番ではないのかもしれぬな」

眉根を寄せて、唸った。

「玄丞先生……もしや、志鶴が……先生ほどのお方でも手に余るような病ではありますまいな」

震える声が聞こえてきた。

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