大江戸ロミオ&ジュリエット
「尚之介さまであらば、わたくしのような子付きの出戻りよりも、もっと相応しきお方がおられましょう……それに」
志鶴は我が腹に、やわらかな眼差しを向けた。
「……生まれた子には、本当の父親のことについてはきちんと話して育てたい、と思ってござりまする……なぜならば」
着物の上からはわからぬが、この頃心なしか、
ほんの少し膨らみが見られるようになった気がする。胃の腑を締め付けられる吐き気も、以前ほどではなくなった。
着々と、子は育っておるのだ。
……旦那さまとわたくしの子だ。