イジワル御曹司様に今宵も愛でられています

「さて、これからどうしようか?」


 テーブルを挟んで向かい合って座ると、智明さんが尋ねてきた。


「結月、汗かいたでしょう? 先にお風呂使ったら?」

「え、いいんですか?」

「もちろん。ゆっくりしてきなよ。なんなら一緒に入ってもいいけど? 背中流してあげるよ」

「そ、それは結構ですっ!」

 なんてこと言うの、智明さん。おそらく真っ赤になっているんだろう私を見て、智明さんがくすくすと笑う。


「すみません、それじゃお先に使わせてもらいます!」

「どうぞごゆっくり」

 なんだかいたたまれなくて、私は飛ぶようにして内風呂に逃げた。


 思う存分お風呂を堪能して上がると、脱衣所に浴衣が用意してあった。

「わぁ、かわいい!」


 広げてみると、黄色をベースに全体に薄いピンクや紫の朝顔の花が散らしてある。

 なんとか浴衣を着付けて内風呂から出ると、同じく浴衣に着替えた智明さんが窓際の椅子に腰掛け、外を眺めていた。


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