イジワル御曹司様に今宵も愛でられています

 常夜灯だけ灯した薄暗い部屋で、壁にうっすらと浮かび上がる裸の彼のシルエットだとか。不安と恐怖から体を硬くする私の頭を、なだめるように撫で続ける彼の指の暖かさだとか。静かな部屋に響く、しっとりと濡れた二人の吐息だとか。


 きっと私は、一生忘れないと思う。


 大好きな人と触れ合うことがこんなにも幸せなことだなんて、今まで私は知らなかった。


 こんなことを思うなんて、あなたはおかしいって笑うかもしれない。


 私の隣で静かに寝息を立てるあなたのことを、私は守りたい。

 色んなことを我慢してきたあなたを、私の手で誰よりも幸せにしてあげたい。


 智明さんの温もりに包まれて、私はこれ以上ないほどの幸福感を感じながら静かに眠りに落ちた。



< 177 / 178 >

この作品をシェア

pagetop