イジワル御曹司様に今宵も愛でられています

 翌日はゆっくりと起きて朝食を取り、宿を出てその足で京都駅に向かった。

 智明さんは、「宿での滞在を昼過ぎまで伸ばしていい」と言ってくれたけど、私がそうお願いしたのだ。


 こんなに素敵な夜をプレゼントしてくれただけで、もう十分。

 本音を言えば、もうちょっと二人で過ごしたかったけど、これ以上の滞在の時間を伸ばせば、智明さんに余計な負担をかけることになる。


 二人の時間も大切にしたいけど、私はそれ以上に智明さん自身を大切にしてほしい。


 帰りの新幹線の中では、ずっと手を繋いでいた。

 私のためにそうしてくれているとばかり思っていたのだけれど……。


「結月、手繋いでてもいい?」

「いいですよ」

 ちょっとだけ照れた顔でそう訊く智明さんに、くすりと笑みをこぼす。


 智明さんって実は、くっついているのが好きみたい。

 たぶんこれは、私しか知らない智明さんの秘密。



           ~Travelin' Light~ おわり



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