独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます

「失礼します!」

 目の前には割烹料理の並ぶ大きなテーブルを挟んで食事をしている詩織とアンヴィの社長。

……と、社長の隣に見知らぬ若い女性。

「智也さん!?」
「えっ! この方が佐々木さんの旦那さんですか? やだ、超イケメン!」
「おお! 佐々木さん、お待ちしていましたよ」

 えっ……ええ!? どういうことだ?

 詩織が無事で何よりだが、この若い女性は一体誰だ?
 それとこの和気あいあいとした雰囲気は何なんだろう。
 社長と詩織は初対面のはずなのに、初めて会ったような感じに見えない。
 とりあえず疑問は尽きないけれど、空いている詩織の隣について挨拶をする。

「高橋さん、遅くなり申し訳ございません」
「いえいえ。佐々木さんのこと、お待ちしていましたよ」

 アンヴィの社長――高橋さんは、いい感じにお酒が回っているみたいでいつもより柔らかい雰囲気になっている。


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