独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます
「詩織、そちらの女性は……?」
「あ、はい。こちら高橋さんのお嬢さんの真紀さんです」
「初めまして、私は高橋真紀と申します。先日奥様に私の挙式を担当していただいたんです。そのお礼に今日はお邪魔させていただきました」
どういうことだ? と理解できずにいたところ、高橋さん自らが説明してくれた。
「いやぁ、うちの娘が奥さんにお世話になったんですよ。偶然にも御社で挙式の申し込みをしていたんです」
Valerieのドレスを着たいと希望していた真紀さんは、うちのショップに訪れた。そしてその真紀さんを担当したのが詩織だったのだ。
「娘の結婚に反対していて認めないと頑なだった私を必死に説得してくれたのが奥さんでね」
そういえば詩織は先日まで初めて担当した挙式の準備で忙しそうにしていた。自分の担当している新婦の父が結婚に反対していて大変なのだと話してくれていた。