独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます
久しぶりの帰宅。こうしてまたこの部屋に帰ってこられたことを嬉しく思う。
玄関に入って靴を脱いだあと、廊下を歩きだすと後ろから智也さんに抱き締められた。
「智也さん……?」
「さっきは外だったから言わなかったけど、すごく心配したんだからな」
「大げさですよ。そんなに心配しなくても大丈夫ですよ」
ぎゅっと強く抱き締められて、とても心配してくれていたんだと伝わってくる。そんな風に思ってくれていることが嬉しい。
「詩織は分かってない。俺がどれだけ心配したか」
「智也さん……?」
「今までちゃんと言えてなかったけど、俺、詩織のことが好きだ。詩織が想像している以上にすごく惚れてる」
その言葉を聞いて、一瞬時が止まった。
意味を理解するまでにどれくらい時間がかかっただろう。
好き? 智也さんが私を? 本当に……?