独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます
とにかく落ち着こう。
何度か深呼吸したあと顔から手を離して、彼に勧められたソファの方を見る。
オシャレ感満載の素敵なソファ。自分じゃ絶対選ばないだろうな、というライトグレーのソファに触れてみると、手触りからして高級品だと思う。
そのソファの横に置かれているいくつかのクッションも同系色で揃えられていて、シンプルでセンスがいい。
その奥にある壁一面の大きな窓からは都内の景色が一望できて、太陽の光をふんだんに部屋の中に取り入れられることができて気持ちいい。
夜になったらきっと夜景が見えてロマンティックなんだろうな……と想像をする。
モデルルームのようなインテリアの数々を眺めているうちに、足音が近づいてきた。
「あれ、座ってなかったんだ?」
「あ……はい」
なんだか落ち着かなくて、座れるような心境ではなかった。
男性の裸を見るなんて初めてだし、まだ鼓動がうるさいくらい鳴っている。