独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます

 さすが最高級車って感じで、座席の固さや厚みがすごくよくて座り心地がいい。
隅々まで綺麗にされている車内は、どのパーツもぴっかぴかで新車並みだ。

「じゃあ、行くよ」
「はい」

 運転席に乗り込んだ佐々木さんはエンジンをかけて走りだす。

 タワーマンションの駐車場を抜け、大通りへと出た。
そしてそこからしばらく走行して、あっという間に役所に到着。

 受付に行くまで少し歩いていると、佐々木さんに話しかけられた。

「どうして一緒に行こうと思ったの?」
「えっと……私の夢で」
「夢?」

 歩きながら話をしていたが、彼は私の言葉にひっかかったみたいでこちらに顔を向けた。

「小さい頃からの夢です。やっぱり婚姻届を出すときは、ちゃんと一緒に出しに行きたいなって」
「へぇ……そうなんだ」
「そうなんです」

 なんだか妙な沈黙。
 なんだろ、変な子だと思われたかな?


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