独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます
「ではこちらで受理いたします。ご結婚おめでとうございます」
「……ありがとうございます」
おめでたいのかどうかは分からないけれど、とりあえず無事結婚できたので、その言葉をありがたく受け取っておくことにした。
そして他の必要な手続きをして、いくつかの書類をもらって、私たちは役所の出口へと向かう。
「じゃあ俺はこのまま仕事に行くよ」
「あ、ちょっと待ってください」
「……どうしたの?」
私はバッグをゴソゴソと探って、スマートフォンを取り出した。
「一緒に記念撮影してください」
「ええ?」
「結婚記念に……」
「これも、まさか――」
「そのまさかです、理想の婚姻届提出のシチュエーションで……」
えへへ、と照れながらそう伝えると、彼は私のスマホを受け取り、その辺りに歩いている男性に声をかけた。