Some Day ~夢に向かって~
「僕には夢がありました。甲子園に行きたい、そしてプロ野球選手になりたい。僕はそう思って、野球を始めました。そして、その夢を現実のものとして意識したのは、高校に入って、白鳥徹という同級生とはとても思えない程のすごい球を投げるピッチャ-に出会った時でした。」


(えっ、俺・・・?)


突然自分の名前が出て来てビックリする。


「僕は彼を初めとした素晴らしい仲間達に出会い、切磋琢磨して、励まし合って、ここまで来ました。そして、良き指導者に巡り合い、ここまで導いていただきました。僕が今、こうしてみなさんの前に立っていられるのは、間違いなく、明協高校での3年間のおかげだと思っています。」


(松本・・・。)


「みなさんにも、それぞれ夢があると思います。僕はそれを大切にして欲しいと思います。夢が必ず叶うということは、残念ながら、ないのかもしれない。だけど、それでも夢を持ち、それを追い求めることは尊いことじゃないでしょうか。決してそれは自分にとって、無駄にはならないと僕は思います。」


「そして、僕達は決して1人じゃない。家族がいて、先生たちがいて、そして大切な仲間達がいる。僕は高校3年間で出会った仲間達を一生の宝物だと思っています。卒業すれば離れ離れ、でもいつでも心は繋がってると信じています。僕はこれからも、あいつらと一緒に夢を追い続けて行きたいと思います。なんか、とりとめのない話になっちゃいました。ごめんなさい。ご静聴、ありがとうございました。」


そう言うと、松本は俺達に頭を下げた。一斉に沸き起こる拍手。


(やっぱりカッコいいな。かなわないよ、お前には。)


もう追いつけないくらいに成長してしまった親友が、俺にはとてもまぶしく見えた。
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