溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
「誰が歩けるって?」

ニヤッと彼は意地悪く口角を上げる。

おかしい。

頭はしっかりしているのに、なぜ身体が思い通りに動かないのか。

「自分が思っているより酔ってるんだよ」

私の思考を読んだのか、遥はそう言って私をたしなめると素早く会計を済ませる。

「何であんたが払うのよ!」

苛立たしげに言えば、彼は余裕の笑みを浮かべた。

「お前の保護者代理だから」

「私は認めてません!もう他のバーで飲み直す!」

遥の腕を退けて店を出るが、身体がふわふわして真っ直ぐ歩けない。すぐに彼に捕獲された。

「この酔っ払い。そんな状態で飲み続ければ、狼にお持ち帰りされるぞ」

「望むところよ」

自虐的に呟いて、ハハッと笑う。

それで……他の男に抱かれて今日のことなんか忘れちゃえばいいんだ。

初めては佐倉先輩とって決めてたのにな。


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