溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
『俺を騙せると思うなよ。高みの見物出来るのも今のうちだけだ。お前も恋愛をすればわかる』

こいつを睨みつけながらそう忠告した。

『恋なんてしませんよ。時間の無駄ですから』

翔太は吐き捨てるように言う。

『お前の意思は関係ない。ある日突然、恋に落ちる』

この俺がそうなったように。

『僕に限っては絶対にあり得ませんよ』

自信満々の顔で断言する彼に向かって、不敵の笑みを浮かべた。

『それこそ”絶対”にないなんてあり得ない』

翔太は無言になり、それ以上反論はしなくなった。



人は変わるもの。

俺もほんの数ヶ月前まではずっと気楽な独身生活を貫くつもりでいたのに、楓と身体を重ねてからは彼女との結婚後の生活ばかりを考えている。
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