溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
憎らしげに睨み付けると、プイッと横を向いて、車窓の風景を眺めた。

外はまだ雪が降っている。

でも、きっと明日の朝には雪は溶けてなくなっているだろう。

私も、雪みたいに消えてなくなりたい。

苦しくて、自分でもどうしていいのかわからないよ。

わから……な……い。

「おい、ここで寝るな」

遥にめんどくさそうに言われ、「……寝てない」と
否定するも瞼が重くて……。

途切れ途切れになる意識。

身体がゆらゆら揺れて、気づけば大きなベッドに下された。

「ここ……どこ?」

トロンとした目で聞けば、遥はジャケットを脱ぎながら「俺の家」と答える。

遥の家……か。

いつの間にタクシーから降りたのか……。

「ほら、これに着替えて今日は大人しく寝ろ」

彼がクローゼットから黒の部屋着を取り出し、ベッドの上に置く。
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