溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
誰もいないとわかると、思い切り溜め息をついた。

「ハァー、肩凝った」

慣れないヒールで足も痛む。

パウダールームの椅子に腰掛けしばし休憩。

出来れば会が終わるまでここにいたい。

鏡の中の自分を見れば、疲れた顔をしていた。

私には場違いな場所だなあ。

遥みたいに場数踏めば慣れるのだろうか?

いや、遥は元々……光の中を歩いていく人だよね。

大統領と並んでいてもそのオーラは輝きに満ちて溢れていて引けを取らない。

私……フリとはいえ、そんな人の隣にいていいのだろうか?

ううん、いちゃいけないから、今トイレにいるんだ。

ハハッと自虐的な笑いが込み上げてくる。

胸が苦しい。

何でだろう?

婚約者なんてただの振りのはずじゃない。

なぜ遥の隣にいられないのが辛いの?

「彼から解放されて清々するはずでしょう?」
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