溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
抱かれたくないのに無意識に俺を誘惑する女。

その寝顔は少女のようにあどけない。

あの夜のことを楓といつ話そう。

いまだ真剣には話し合ってはいない。

あの時のことをちらつかせ、彼女の反応を探っている。

まだ、何かあれば俺から逃げそうな雰囲気だし、無理だな。

もう少し俺との生活に慣れてからの方がいいかもしれない。

「いつまでも俺が兄貴の代わりでいると思うなよ」

苦笑しながらそう警告すると、彼女に顔を寄せ口付ける。

襲わないとは言ったが、キスしないとは言っていない。
「俺のところに来たお前が悪い」

愛おしげに楓を見つめると、俺も眠りについた。



次の朝、枕に片肘をつきながら楓の寝顔を眺めていたら、彼女が起きて目がバチッと合った。
< 95 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop