わたしと専務のナイショの話
 



「専務って、どんな横暴な人だろうと思ったのは当たってました」

 玄関ホールで、のぞみは御堂にそう言った。

 京平が下りてくるのを待っているのだ。

 今、秘書室も忙しく、人手が足りないので、取引先に行く京平にのぞみが付いて行くことになった。

 京平はただ顔を出せばいいだけらしく、秘書も鞄持ちとして行くだけだから、のぞみでもいいだろうという話になったのだ。

「粗相はするなよ」
と御堂たちに、しつこく言い含められはしたが。

 京平が横暴だと言ったのぞみに、御堂は、
「だが、仕事はできるぞ」
と言ってくる。

 まあ、教師をしていても、いつも動きに無駄がなかったよなーと思い返していると、御堂より、少し年上だという岡村がエレベーターから飛んで降りてきた。

 受付に駆け込み、なにか揉めている。

「どうしたんでしょうね?」
とのぞみたちもそちらを窺った。
 
 そういえば、さっきから、受付嬢の佐竹さんが落ち着かなげにウロウロしていたな、と思い出す。
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