わたしと専務のナイショの話
「誰か来たらどうするんだっ。
 早く鍵をかけろっ」

 はいっ、とのぞみは鍵をかけ、エンジンをかける。

 そのまま出ていきかけて、窓を開けた。

「お、おやすみなさい。
 ありがとうございます」

「……おやすみ」
と言ったあと、京平は口を開きかけ、沈黙する。

 のぞみ、が言えなかったんだな、と思った。

 まあ、ずっと生徒として、坂下って呼んできたんだもんな、と思いながら、少し笑い、
「じゃあ、失礼します」
と言って窓を閉め、出発した。

 京平はのぞみが出て行くまで、その場に立ち、見送っていたようだった。




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