わたしと専務のナイショの話
 のぞみは最新の浴槽設備の並ぶ店内をぐるりと見回し、
「それにしても、ときめきます、ショールーム」
と微笑んだ。

「ジャクジーとかミストとか、豪華な浴槽とか。
 見てるだけでも楽しいですよね」

「そうか。
 奥の方に実際に入ってみられるスペースもあるぞ」
と京平が言ってくる。

 えっ、とちょっと喜びかけたが、
「でも、お風呂でゆだって、赤い顔して帰ったら、みんなに怒られますよね」
と笑って言い、

「……どんだけ長湯するつもりなんだ」
と言われてしまった。

 そのとき、
「京平じゃないか」
という張りのある男の声が後ろでした。

 京平がぎくりとした顔をする。







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