わたしと専務のナイショの話
「なんだかわかんないけど、ゆっくり変わっていったのよ。
 あんたもゆっくり変わってってるのかもよ。

 ……まあ、あんたに関しては、変わらないままの方が、いいような気もするんだけどね」
と祐人とキスした女だが、ちょっと仏心を出して言ってみた。

「そうなんですかね~?」
とのぞみは小首を傾げながら言ってくる。

「ところで、永井さん、鹿子(かのこ)のうちは、和菓子屋だって知ってました?」

「……あんたの話はなんでそう、ポンポン飛ぶのよ」

 なにか悩んでたんじゃなかったのか、と思いながら言うと、
「いえ、来週、月一の特売日があるんですよ。
 ご一緒にどうかと思いまして」
とのぞみは笑って言ってくる。

「はいはい、行くわよ」
と返事をしたとき、また、チラ、と京平がこちらを見たのに気がついた。

 ……ラブラブだな。

 専務、のぞみをガッチリ捕まえて離さないでくださいよね、と思いながら、京平を見つめていると、のぞみが心細そうな顔で見上げていた。
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