わたしと専務のナイショの話
「お前、昔、俺に言ったな。
 俺は、家の跡を継ぐしか脳のないお前とは違うと」

「言ってない」
と言う京平に樫山は叫ぶ。

「聞こえたんだっ。
 俺の脳内にーっ。

 実力もないのに、跡取りなんて、ただ据えられてるだけの莫迦息子が、と罵るお前の声と、見下げ果てるお前の目つきがっ」

「意外に繊細な人ですね……」

「結構おのれを知ってるやつだからな」
と腕組みして、京平は呟く。

「でも……」
と言いかけ、のぞみはやめたが、京平が勝手にその続きを言ってくる。

「実力もないのに、専務に据えられた莫迦息子も此処に居るとかお前、今、思ったか?」

「……言ってません」

「聞こえたんだよっ。
 俺の脳内にーっ」
と叫び出す京平に、

 どうしよう。
 この二人、そっくりなんだが。
とのぞみは思っていた。

 だから、友だちなんだな、と思っている間も、樫山は、しゃべり続ける。
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