わたしと専務のナイショの話
 



「――と坂下が言ってましたよ」

 専務室に来た祐人は、確認済みの名簿を京平に渡しながら、のぞみが何故、自分との関係を進展させないのかを語ってくれた。

 それを聞きながら、京平は、お前は一体、どうしたいんだ、御堂……、と思っていた。

 この間ものぞみに忠告してくれたようだし。

 何故、俺は毎度、のぞみにキスした男に礼を言わねばならんのだっ、と思いながらも、
「ありがとう」
と一応、言っておいた。

「では、失礼します」
と出て行く祐人を見送りながら、京平は思う。

 御堂、いい男で、いい奴だ。
 やはり、危険だ。

 早急に俺とのぞみとの仲を進展させなければ――!

 此処は、やはり、二人で旅行に行くしかないっ、と京平は思っていた。

 同じ釜の飯を食べると、人は一気に親しくなると言うしな、とのぞみに言ったら、
「いや……社食でも、レストランでも、たぶん、同じ釜から食べてますからね」
と言われそうなことを思う。

 もう旅行先の目星はつけてあった。







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