わたしと専務のナイショの話
なんだかんだで、京平は、のぞみが食べたがっていた中華を奢ってくれた。
昼から豪勢だな。
その辺の店のでよかったんだが、と思いながら、京平の行きつけだという中華の店の個室で、締めの杏仁豆腐とライチを食べている頃、更に冷静になったらしい京平が、更に後先考えないことを言ってきた。
「もういいわかった」
なにがわかったんだ?
とあまり香料が強くなく、最後まで美味しかった杏仁豆腐を味わうように食べていたのぞみは顔を上げる。
だが、京平がもう時間だと急かしてくるので、そのまま店を出て、車に乗り込んだ。
その間も、京平はなにかの算段をしているようだった。
のぞみが乗っても、まだ車は発進させずに、京平は言ってくる。
「さっから、樫山に嘘つきめ、と後ろ指差されて、土下座して謝ることと、お前と結婚することを天秤にかけてみてたんだ」
あのー、専務。
嘘をついたら、すぐに、ごめんなさいした方がいいと小学校の先生でも言うと思うんですが。
貴方、高校の先生ではなかったですか?
そんなことを思うのぞみを振り返り、京平は言ってきた。