わたしと専務のナイショの話
 京平は、のぞみの学生時代を思い出してか、手を握り、しみじみと言ってきた。

「それにしても、あの頃はお前とこのようなことになるとは思ってもみなかったが」

 いや……、まだ、どのようにもなっていませんが。

「縁とは不思議なものだな」

 私は貴方が不思議ですが。

「だが、こうなったからには、一生、共に幸せに暮らそう」
と握った手を持ち上げ、言ってくる。

 いや、だから、まだ、どうにもなってませんよねっ? と確認するように京平の瞳を見つめてみたが、なにも通じてはいないようだった。




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