彼の隣で乾杯を
「麻由子ちゃん、久しぶりだね。すっかり大人になったもんだ。私の中じゃまだ高校生なんだけど」
「あらやだ。そんな四半世紀前の話を」
タヌキと美女がころころと笑い合っている隣でこの美女の年齢を計りかねて動揺している私。
四半世紀前に高校生って嘘でしょ?
どう見てもこの女性が40歳を過ぎているようには見えない。
そこでハッと気が付いた。
どかかで見たことがあると思ったら、早希から聞いた副社長のエスコートでホテルのバーにいた女性。
確か・・・そうだ、高橋のお母さん?!
そういえば、口元が彼に似ているかも。
「麻由子ちゃん、この子うちの会社の大事な薔薇の花の佐本由衣子サン。で、佐本さん、この美人はTHコーポレーションの高橋社長の奥さんで麻由子ちゃん。僕とうちの会社の会長一家は麻由子ちゃんが子どもの頃からの知り合いなんだ。高橋が年の差も顧みないで麻由子ちゃんをさらった時には真剣に抹殺しようかと思ったよ」
「あら、ヤダ。抹殺なんて。神田さんが言うと冗談じゃすまないから」
あはははは
うふふふふ
お二人とも笑っているけど、隣にいる私は背筋が寒くなったんですけど。気のせい?
でも。
ああ、やっぱり。
タヌキと久保山会長はお友達。
高橋のお父さんの実家が会長のご自宅のお隣で、高橋のお母さんであるこの美人さんのご実家もご近所なんだとか。
会長の息子である社長と副社長と高橋のお母さんは年の差はあるけれど幼なじみで親しいのだと早希から聞いていた。
ちなみに高橋のお父さんはタヌキとも親しい間柄。
四半世紀前に女子高生だった高橋のお母さんは想像つくけれど、大学生の神田常務ってどんなだったんだろう。その頃はまだヒト型をしていたのだろうか・・・?
「よろしくね、由衣子ちゃん。あなたのことは早希ちゃんからも康ちゃんからも聞いているわ」
高橋のお母さんは私にほほえみかけてくれたけれど、あの二人から何をどう聞いているのかちょっと怖い。あとできちんと確認しなくては。
「佐本由衣子と申します。私も早希から奥さまのお話を聞いております。あちらで社長夫人にずいぶんよくしていただいたと。私からもお礼を申し上げます」
緊張しながらもなんとか声を絞り出した。
「あらやだ。そんな四半世紀前の話を」
タヌキと美女がころころと笑い合っている隣でこの美女の年齢を計りかねて動揺している私。
四半世紀前に高校生って嘘でしょ?
どう見てもこの女性が40歳を過ぎているようには見えない。
そこでハッと気が付いた。
どかかで見たことがあると思ったら、早希から聞いた副社長のエスコートでホテルのバーにいた女性。
確か・・・そうだ、高橋のお母さん?!
そういえば、口元が彼に似ているかも。
「麻由子ちゃん、この子うちの会社の大事な薔薇の花の佐本由衣子サン。で、佐本さん、この美人はTHコーポレーションの高橋社長の奥さんで麻由子ちゃん。僕とうちの会社の会長一家は麻由子ちゃんが子どもの頃からの知り合いなんだ。高橋が年の差も顧みないで麻由子ちゃんをさらった時には真剣に抹殺しようかと思ったよ」
「あら、ヤダ。抹殺なんて。神田さんが言うと冗談じゃすまないから」
あはははは
うふふふふ
お二人とも笑っているけど、隣にいる私は背筋が寒くなったんですけど。気のせい?
でも。
ああ、やっぱり。
タヌキと久保山会長はお友達。
高橋のお父さんの実家が会長のご自宅のお隣で、高橋のお母さんであるこの美人さんのご実家もご近所なんだとか。
会長の息子である社長と副社長と高橋のお母さんは年の差はあるけれど幼なじみで親しいのだと早希から聞いていた。
ちなみに高橋のお父さんはタヌキとも親しい間柄。
四半世紀前に女子高生だった高橋のお母さんは想像つくけれど、大学生の神田常務ってどんなだったんだろう。その頃はまだヒト型をしていたのだろうか・・・?
「よろしくね、由衣子ちゃん。あなたのことは早希ちゃんからも康ちゃんからも聞いているわ」
高橋のお母さんは私にほほえみかけてくれたけれど、あの二人から何をどう聞いているのかちょっと怖い。あとできちんと確認しなくては。
「佐本由衣子と申します。私も早希から奥さまのお話を聞いております。あちらで社長夫人にずいぶんよくしていただいたと。私からもお礼を申し上げます」
緊張しながらもなんとか声を絞り出した。