彼の隣で乾杯を
「佐本さん。中でお二人がお待ちです。入退室の際は気を付けて下さい」
真剣な顔で「何を言われても決して常務に絆されないようにしてくださいね」と念押しされて苦笑してしまう。
そうしてポチは先に立ってドアノブ近くに設置された何かのパネル機械をカチカチとを操作して執務室のドアをノックした。
「常務、佐本さんがお見えです」
「入ってもらって」中からタヌキの声がしてポチによってドアが開かれ中に誘導された。
「くれぐれも脱走の手伝いをしないで下さいね」
ポチの横を抜けていく時にポチから耳打ちするような小さな声で囁かれる。
「ハイ」
囁き返して常務と部長の座るソファーに向かった。
「では私はコーヒーを持ってまいります。佐本さん、くれぐれも脱走の手伝いはしないでください」
と今度ははっきりと常務に聞こえるように言いポチは執務室から出て行った。
噂には聞いてたし、さっき部長秘書のお姉さまからも聞いていたけど、何なの、ここ。
普段会社員として過ごすのに使われない『脱走』なんて単語が二回も出てきたんですけど。
「すごいでしょ、ここ」
タヌキは笑っているけれど、その向かいに座る部長の顔はひきつっている。
仮にも上司なのでそこは曖昧に微笑んでいると「そこ座ってね」と部長の隣に座るよう勧められおとなしく腰を下ろした。
真剣な顔で「何を言われても決して常務に絆されないようにしてくださいね」と念押しされて苦笑してしまう。
そうしてポチは先に立ってドアノブ近くに設置された何かのパネル機械をカチカチとを操作して執務室のドアをノックした。
「常務、佐本さんがお見えです」
「入ってもらって」中からタヌキの声がしてポチによってドアが開かれ中に誘導された。
「くれぐれも脱走の手伝いをしないで下さいね」
ポチの横を抜けていく時にポチから耳打ちするような小さな声で囁かれる。
「ハイ」
囁き返して常務と部長の座るソファーに向かった。
「では私はコーヒーを持ってまいります。佐本さん、くれぐれも脱走の手伝いはしないでください」
と今度ははっきりと常務に聞こえるように言いポチは執務室から出て行った。
噂には聞いてたし、さっき部長秘書のお姉さまからも聞いていたけど、何なの、ここ。
普段会社員として過ごすのに使われない『脱走』なんて単語が二回も出てきたんですけど。
「すごいでしょ、ここ」
タヌキは笑っているけれど、その向かいに座る部長の顔はひきつっている。
仮にも上司なのでそこは曖昧に微笑んでいると「そこ座ってね」と部長の隣に座るよう勧められおとなしく腰を下ろした。