その瞳は、嘘をつけない。
違った。
私が言い返さなくても、言い負かされる。

こんな、勝負にもならない駆け引きは続けるだけ無駄だ。

「そう。連絡できなかった。
秀くん、前から冷たかったし。」

こういう時、どうして女って、
悪いのは自分じゃない。あなただ!
って、自分を守るような、含みのある言い方するのかな、女々しくて白々しいなって、本とか読みながら思ってた。
でも自分も同じことしてる。
見苦しいな。

「それは・・・そうだな。
俺の、馬鹿な嫉妬が、お前を傷付けてたことは自覚してた。」

「しっと?」

何に対して?
今の私と関わりのある男性なんて、店長と、馬場くんを始めとする数人のバイト君だけ。
勿論、全員、お互いに、恋愛圏外。

なのに、何故嫉妬?
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