その瞳は、嘘をつけない。
まだ考えがまとまっていない状態で、口をついて出た言葉。

どうやら秀くんにとっても予想外だったようで、目を丸くしている。
ちょっと、いい気分。

「愛する彼女に会いに来た、それだけだ。」

愛するって・・・

「3週間も、連絡もくれなくて、それで、そんな・・・」

彼女、なんて言い方しないで欲しい。
その想いは言葉にできなかった。

「お前からもしてこなかっただろう。
俺だけ責められるのは理不尽だ。」

確かにそうかもしれないけど。

舌戦で秀くんに勝てるはずもない。
私が何か言い返しても、また畳みかけるように言い返される。

「黙ってるってことは、納得してるんだろ?」
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