その瞳は、嘘をつけない。
8が月もの間、お互いに本心を話すという機会をあえて避けていたのかもしれない。

喧嘩もしていなかった。
当然だよね。
お互いに向き合っていないのだから。

そのツケがまわってきているからなのか、
話がいったり来たり。

ふたりとも、うやむやにしたまま、溜めていたものが多すぎるんだ。

時間がかかっても構わない。
一つずつ解決していけるのであれば。


「俺はお前と、ただ楽しむためだけの関係を望んでいるんじゃない。」

「それって・・・。」

「お前との将来を考えたい、と思ってる。」
「うん。」


将来、という言葉にも
今は何も感じなくなっている。

夢見ていた、将来。
叶わなかった、将来。

「だがな、今のままじゃ駄目だ。」
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