その瞳は、嘘をつけない。
「うん・・・。」

まだまだ私には、至らないことが山ほどある。
自覚してる。

「また勘違いしてる。そういうことじゃない。」
こつん、と頭をつつかれる。

「そんなに私、わかりやすい?
ていうか、どういうこと?
私の、何がいけないの?」

「やっぱり勘違いしてた。
お前のことを言ったんじゃない。

俺たちのことだ。」

・・・同じだと思うんだけど。

「関係は1人で作るものではない。当然のことだろう。」
「それは、そうだよね。わかる。」

「疑問を感じるようになったんだ。
俺とお前は、対等の関係なんだろうか、と。」

「対等って・・・立場が違いすぎると思うの。」
私にできることなんて、あまりにも限られている。

「年齢とか、性別とか稼ぎとか、そう言った対等さのことじゃない。
人として、だ。」

「ひととして?」

「どちらかが、いや、お互いにだな。
言いたいことも言えず、腹を割って話す事ができない。
そんな関係じゃ、続かない。
苦しめ合うだけだ。」
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