その瞳は、嘘をつけない。
でも何を?
今日はお休みだったんですか?とか。
でもカフェに来てたんだから休みなので明白で、それ聞いてどう反応すればいいんだ?とか。
休みの日は何してるんですか?とか?
お見合いみたいな質問・・・。

「何食べる?」
メニューを見ていた一之瀬さんが声をかけてくれた。
そういえばフードの注文もまだだった。
焦り過ぎてそんなことにも気づけなかったなんて。
私の方から聞いたほうが気が利いていたよね、きっと。

「枝豆は必須だと思います!」
2人掛けの席なので1枚しか置かれていないメニューをこちらに向けようとしてくれていた一之瀬さんに向かって、なぜか
力説してしまった。
ふっと、一之瀬さんの笑顔。
あ、笑ってくれた、と、
私の緊張もちょっと解れる。
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