その瞳は、嘘をつけない。
思った以上にキツイ日差しと人の多さに立ち眩みを起こしそうになってしまい、地下街に向かった。
ここにもたくさんのお店が連なっていて、通路は迷路のように複雑。
この町には長年住んでいることもあって、迷子にならない程度には歩けるけど、来る度に新しいお店ができていたり、反対に無くなってしまったお店もあったり。
どんどん変わっていく。

目的もなくうろうろと歩く。
ウィンドウに立ち並ぶマネキンたちが来ている服をゆっくりと眺めていく。
どれもこれも素敵だけど、とにかく露出が多い。
見ている分には楽しいけど、全然参考にはならない。

ああいうの着る時って、下着はどうするんだろう。
なんて考えながら歩いてたら、雑貨屋さんの前にたどり着いた。
新しいお店かな。
なんとなく足を進めると、店内奥の一角にお洒落なライターや灰皿が置いてあった。
メタリックの、小ぶりな灰皿を手に取る。
これ、秀くん使うかな?
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