もう一度、愛してくれないか
また、大阪で仕事をしていると、タクシーだけでなく部下を乗せて車を運転しているとき(ハンドルは自分が握りたいのだ)であっても。
東京で首都高に乗る感覚で阪神高速に乗ろうとすると、
『今の時間やったら、下の道空いてるっすよ。
阪神高速の環状線は距離短いのに高いし、もったいないですやんかー』
と言われて阻止されてしまう。
慣れるまでは、合流地点で車線変更したいとき、たとえ高速であろうとも隙あらばガンガン車間を詰めてくる「大阪方式」の「なにわナンバー」の車との「バトル」が待ち受けているから命がけだった。(東京から自分の車を持ってきた直後で、まだ「品川ナンバー」だった頃のことは思い出したくない。)
だから、こまめに走ってその「スキル」を落としたくないのだがな。
ちなみに「大阪方式」では、狭い道から広い道に出るときの「常識」として、必要以上に車のアタマをぐっと前へ押し出して「一秒でも早よそっちの道へ入りたいんじゃ!わかっとんな⁉︎」と、目の前を流れる車に対して「威嚇」するのを忘れない。
彼ら大阪人にとって、それらを妥協すると「負け」につながる。それはたいへん不名誉なことで、特に金銭面での「負け」はメンタル的に耐えがたいことらしい。
なので、彼らの持つスペックが最大限に発揮されるのは値段交渉の際だ。
彼らにとって、相手に「負けさせる(値引きさせる)」ことは、何事にも代えがたい至上の喜びだが、その逆は絶対にありえない。
彼らは値段交渉というピッチにおいて、「損せず得だけする」というプライドの下、日々「絶対に負けられない闘い」を繰り広げているのだ。