御曹司の愛され若奥様~24時間甘やかされてます~
すたすたと玄関を出ていく彼の後ろをついていくと、ガレージがあった。
そこには、シルバーのセダンが一台停まっている。
「とりあえず持ってきた俺の車」
車のキーを取り出しながらそう言う彼。
なるほど、確かに市街地からそれなりに離れたこの別荘地に住むとなると、車がなければ不便だろう。
実家にいる時はお抱え運転手がいて外車に乗ることが多かったけれど、この車も〝とりあえず〟持ってくるレベルとしては高級なものだとはわかる。
ていうか……
「私、運転出来ないんですけど」
私がそう言うと、彼は「え? もちろん俺が運転するけど」と答える。
「いえ、そうじゃなくて……そもそも車は一台だし、あなたがこの車を使って仕事に行っている間、私は街に出られませんよね」
歩いて街まで向かうには遠すぎるし……まあ、どうしても出掛けたければ実家に電話すれば鏑木か小宮山がすっ飛んでくるような気はするけれど。
私の心配に対し、大和田さんは。
「まあ、それは確かにそうだね。妻を家に監禁してるみたいで、俺は興奮するけど」
「はい⁉︎」
一瞬素で驚いてしまって、その後すぐに彼を睨み付けた。
冗談なんだからそんな怖い顔しないでよ、と彼は笑う。
彼の笑顔にドキッとさせられっぱなしの私だったけれど、今は本気でイラッとした。
この人、本当に軽い。
結婚についても絶対真剣になんて考えていないんだろうな。この同棲も、提案されたから受け入れているだけで、どうせなら軽いノリで楽しめばいーやとか、そういう感じだろう。
……私はこんなに悩んでいるのに!