御曹司の愛され若奥様~24時間甘やかされてます~
歯ブラシ、着替え、最低限の化粧品など……とりあえず簡単に揃えた。
簡単と言っても、一応多少は選びたいと思うため、その間大和田さんのことは待たせてしまった訳だけれど、彼は文句の一つも言うことはなく、ずっと笑顔でいてくれていた。
その後、今夜は何を食べようかなんて話をしながら夕食の材料を買った。
気が付いたら、彼と一緒にいることに対して、最初ほどの戸惑いや敬遠さはなくなっていた。
彼が無遠慮に懐に入ってこようとするせいか、常に笑顔を絶やさないせいか、気取らない雰囲気がが話しやすいせいかわからないけれど、いつの間にか彼のペースに巻き込まれている自覚はありつつ、それが嫌だとは感じていない自分がいる。
……もちろん、結婚は絶対に嫌なんだけれど!
荷物を車に乗せてから、ここへ来た時と同じ様に大和田さんが車を走らせ、私は助手席に座る。
でも車が向かうのは、別荘とは違う方向に感じる。
「あ。ちょっと寄り道しても大丈夫?」
私の視線に気付いたのか、大和田さんがそう聞いてくる。
どこに行こうとしているのかはさっぱりだけれど「いいですよ」と答えてみた。
十分後、大和田さんは近くの駐車場に車を停止させる。
先ほどと同じように、スマートに私側のドアを開けてくれて、そのまま手を差し出される。
思わず差し出し返してしまった私の手を、彼がギュッと握り締め……ドキドキが治らないまま、彼に手を引かれるようにして一緒に歩いていく。
そうして着いたのは……ジュエリーショップ?