御曹司の愛され若奥様~24時間甘やかされてます~
その後も、大和田さんは色んなことを教えてくれた。

誕生日は五月一日。
血液型はO型。
身長は百八十三センチ。
趣味はスポーツ全般。
特技はサッカーと料理。
家族構成はお父さん、お母さん、お姉さん、弟さん。

色んなことを、いっぱいいっぱい、教えてくれた。


「日和のことも、教えてくれるんだろ?」

近距離で、頬を撫でられながらそう聞かれる。

私も、自分のことを彼に教えた。誕生日とか、血液型とか、その他つまらないであろう情報も、たくさん。私の全てを、知ってほしくて。その上でーー好きになってもらいたくて。


一つひとつ教えていくことが増えるたびに、大和田さんはにこって笑ってくれた。

私が彼のことを知りたいと思っていたのと同様に、彼も私のことを知りたいと思ってくれていたのかなと思ったら嬉しくて堪らない。


そして、最後に。


「陽平」

「え?」

「俺の名前は陽平だよ」

と、さすがにわかり切っていることを言ってくるから思わず首を傾げる。


「名前は……わかってますけど?」

「あれー? じゃあ何でいつまで経っても〝大和田さん〟って呼ぶのかな?」

いたずらっ子のようにクスクス笑いながら、そう尋ねてくる彼。
なるほど、そういうことか……! でも、今更急に名前で呼ぶなんて恥ずかしすぎるでしょ!


「子供の頃に初めて会った時は〝陽平くん〟って呼んでくれてたのに」

「あの時は子供でしたからね! 名前で呼ぶのが普通でしょ!」

「それを言うなら、現在の方が名前で呼んだ方が自然じゃない?」

「え?」

「だって俺達、



夫婦になるんだから」



バックン、と心臓が壊れそうなほどに暴れる。

顔もこれでもかってくらいに熱い。


いつも優しく笑う彼が、まるで拒否権はないと言わんばかりに自信に満ちた顔で微笑むから。
その顔がかっこ良くて、更にはそんな彼から〝夫婦〟という言葉が紡がれて、ドキドキせずにはいられない。


痛い。胸が痛くて、苦しい。

でも、嫌じゃない。
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