御曹司の愛され若奥様~24時間甘やかされてます~
「あー……ごめん。夕べはほら、お互いに楽しんじゃったよね」

「夕べは楽しんじゃった⁉︎」

何、どういうこと⁉︎ 妙に意味深な言葉に聞こえるのは気のせい⁉︎
全然記憶にないんだけど、もしかして私……陽平くんと一線を越えて……⁉︎


……ん? 記憶にない?


「……あ」

思い出した。
昨日の昼間、鏑木と小宮山が様子を見にこの別荘にやって来て、色々と差し入れも持ってきてくれた。
その中に美味しそうなワインがいくつか入っていて……仕事から帰宅してきた陽平くんが喜んでいたから、寝る前にリビングで一緒に飲んだんだっけ。
私もワインは好きで、しかも久し振りだったからついつい飲み過ぎてしまって……きっとそのまま二人でソファーで寝てしまったんだ。


「念のために言うと、日和が心配するようなことは何もしてないから安心してね」

「……ごめん」

勝手に勘違いして、申し訳なさと恥ずかしさで素直に謝る。

でも、


「まあ、酔ってる日和も可愛かったし、正直かなり我慢したけど」


とか言ってくるものだから、朝から心臓に悪い。


「あー……仕事行く支度しなきゃな」

そう呟きながら、とりあえずシャワーを浴びに浴室へ向かう陽平くん。私も朝食の準備をしよう。


昨日飲み過ぎたし、重いものよりもあっさりしたお味噌汁とかがいいかな、と思いながらとりあえずIHに鍋をセットする。


気が付いたら寝てしまうくらい飲んでしまったのは失態だったかとしれないけれど、まあそれは陽平くんも同じなわけだし、気にしないことにしよう……。


陽平くん、昨日楽しそうにワイン飲んでくれてたな。陽平くん好みのワインがあって良かった。

……もっと喜んでほしいな。ほかには、どんなことで喜んでくれるのだろう?
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