御曹司の愛され若奥様~24時間甘やかされてます~
「陽、平くん……?」

「はー、良かった。やっと出てきた」

そう言いながら、彼は私のことをぎゅぅっと強く抱き締める。少し、痛いくらいに。


彼は力を緩め、私の顔を正面から見つめると、ゆっくりと言葉を紡ぐ。


「何で怒ってるの? もしかしてまた何か誤解してる?」


真剣な顔でそう言われるけれど、誤解なんてしてない。陽平くんはお父様に言われて、結婚の話をいったんなかったことにしようとしている。それはさっき、陽平くん本人から聞いたから間違いない。


だけど……


「……それでもいい」

「え?」

唐突な私の呟きに、陽平くんは小さく首を傾げる。


「……陽平くんが、私を想ってくれていることには変わりないから。でもいつか必ず、私が陽平くんを想うのと同じくらい、私のこと好きにさせてみせるから……!
だからそれまで、ずっと離れないで一緒にいて……!」


こんなことを言うのは、恥ずかしい。
そして、誰かに対してこんな感情を抱くのは初めてのこと。

苦しいし、泣きたくなるし、辛いし。

だけど言わずにはいられない。

目の前にいるのに、どこか遠い気がして。だからもっと私に引き寄せたいのに、こんな言葉じゃ足りないくらいだ。


「……日和」

彼の右手が、すっと私に向かって伸びる。

その手は私の頭の上に置かれ、ぽんぽんと撫でてくる。


すると。


「……やっぱり何か誤解してない?」

「……はい?」

「だって、多分俺の方が日和のこと凄く好きだよ」


さらりとそんなことを言われ……嬉しさを感じるというよりは、状況が理解出来ない。

誤解って、何?
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