御曹司の愛され若奥様~24時間甘やかされてます~
「だ、だって、さっきお父様と電話してた……」

「うん。電話したけど?」

「私との結婚を白紙に戻してほしいって言われたんでしょ⁉︎」

「……



え? 言われてないけど」


え、えぇ⁉︎ どういうこと⁉︎
やっぱり彼の言う通り、私は何か勘違いをしていた……?



「さっきの電話は、日和のお父さんから掛かってきたんだけど、結婚を白紙にーーなんて内容のものではなかったよ」

「じゃあ何だったの?」

「日和をよろしく、って」

「え?」

「あれだけ結婚を嫌がっていた日和が、どうやら陽平くんと早く結婚したがっているみたいだ、って。
だから、結婚に向けて本格的にどうぞよろしく、って」


そ……そうだったの……?

お父様、そんな電話を……。てっきり、結婚はなかったことにしてくれっていうお願いを陽平くんにしたのだと思っていたのに……。


それに私、陽平くんのことが好きだってはっきりとはお父様に言わなかったのに。……親は何でもお見通しってことかな。怖いな。


「もちろん、喜んでって返事したよ」

いつもの明るい笑顔で、はっきりと言い切る彼だけれど、そんな彼に対して疑問も生じる。


「でも、同棲を解消しようって言ったじゃない」

そう。それは彼自身の口から間違いなく聞いた言葉。
解消というのは……もう一緒には暮らせないということでしょう?


不安が拭えない私に対し、彼はくすっと笑う。


「それは確かに、俺の言い方が悪かったね」


言いながら彼は、私の左手をすっと手に取る。


私よりずっと大きい彼の手に、私の左手はすっぽりと包まれる。


「同棲っていうのは、結婚していない恋人同士がするものだから」

「え?」

「日和の決心がついていないなら急かすのはかわいそうかなと思っていたんだけど……日和のお父さんの言葉を聞いて、決心したんだ。
日和が俺のことをそこまで想ってくれているなら、もう何も迷うことはない」


そう言いながら、彼は私の薬指に何かを嵌める。


それは……中心でダイヤが光る、とても綺麗な指輪だった。
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